あなたは何型ですか? と言いますと、皆さんはきっと血液型を思い浮かべるでしょう。 実は腰痛も症状によっていくつかの型に分かれています。 前回は、腰痛の分類とゴルファーに多い筋々膜性(きんきんまくせい)腰痛の原因についてお話ししました。 今回はその症状によって分かれている腰痛の型の特徴と、簡単な予防法についてお話しいたします。
腰痛を受傷した経験がある方は、その時どのような症状であったのかを確認し、その症状によって処置や予防法が違うことを知ってもらいたいと思います。 まずは皆さんが何型の腰痛で悩んでいるのかを確認しましょう。 そして今後の予防に役立てましょう。
皆さんは腰痛と聞くとどのような状態をイメージしますか?
◆ 真直ぐ立つことができない ◆ 腰と背中が硬く、背中を丸めたり、胸を張ったりすることができない ◆ 上体を回すことができない ◆ 足を上げると痛く、歩くことが困難である ◆ じっとしていても痛い
今回は、神経症状がない一般的な腰痛についての話になりますが、からだを動かした時の痛みによって屈曲型、伸展型、回旋型、安静型、不安定型などに分けられます。 まずはその特徴をご紹介しましょう。
1) |
屈曲型 からだを前に倒した時、腰に痛みを感じます。 お尻やももの裏側(ハムストリング)、腰、背部の筋肉が疲労などで硬くなり、
からだを前に倒そうとすると骨盤の前への傾きが制限されて痛みが出てきます。 ◇靴下を履く時に痛い ◇朝、顔を洗う時に痛い ◇カップインしたボールを取る時に痛い など |
2) |
伸展型 からだをうしろへ反らした時、腰に痛みを感じます。 足を上げる時の筋肉(股関節の屈曲筋:腸腰筋、大腿筋膜張筋など)の短縮や緊張、骨盤の前への傾きや腰椎の前弯(ぜんわん)が強くなり、からだを反らした際に痛みが出てきます。 ◇座った状態から立つ時に腰が伸びない ◇アドレス後、からだを真直ぐにしづらい ◇傾斜や階段を下る時に困難である など |
3) |
回旋型 からだをひねった時、腰に痛みを感じます。 腹筋の筋力がなく緊張が不十分で、回旋動作の際、骨盤の前への傾きが強くなり、腰(腰椎)に回旋・伸展ストレスが加わり痛みが出てきます。 ◇うしろを振り向くときに痛い ◇スイング時、上半身の回旋と同時に痛みを感じる など |
4) |
安静型 長時間座ったり立ったりの状態が続くと、腰周囲の筋肉が硬くなり、腰部に痛みや違和感を強く感じるようになります。 ◇長時間のデスクワークや足を組んだ後に、痛みや違和感を覚える など |
5) |
不安定型 痛みが出てくる動きが決まっていません。 ◇寝ている時に動いたら痛みを感じた ◇違う動きをしようとしたら痛みを感じた など |
皆さんは、どの型にあてはまりますか? 次に、簡単な予防法をご紹介しましょう。 各々の型に関係する筋・関節の柔軟性と体幹の筋力強化が必要になります。
1) |
屈曲型 お尻やももの裏側(ハムストリング)、腰、背部など、体の裏側を中心とした部分の柔軟性を獲得しましょう。
 |
 |
 |
もも裏(ハムストリング)の ストレッチ |
背中を丸める ストレッチ |
背部を反らす ストレッチ | |
2) |
伸展型 ももの前側(大腿部前面)と足を上げる時の筋肉(股関節の屈曲筋:腸腰筋、大腿筋膜張筋など)の柔軟性を獲得しましょう。
 |
 |
もも前(大腿四頭筋)のストレッチ |
腸腰筋のストレッチ | |
3) |
回旋型 腹筋の筋力強化と回旋動作の柔軟性、伸展型と同じ筋肉の柔軟性を獲得しましょう。
 |
 |
回旋ストレッチ | |
4) |
安静型 座ったり、立ったりする時間を短くしましょう。 たとえば1時間ほど座っていたら、立って約3~5分間ほどからだを動かしましょう。 また足を組むなど腰部周囲にストレスが掛かるような姿勢は避けましょう。 |
5) |
不安定型 普段から腰部周囲のストレッチを行いましょう。 また腰に不安のある方は、急激な動作を避け、ゆっくりとした動作を心がけましょう。 |
皆さん、いかがでしたか? まずは腰痛の特徴を理解して、今後の予防に努めましょう。 そして不安のない状態でゴルフを楽しみましょう。 |